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現在、燻製がブームになりつつありますが、難しそうというイメージが定着し、いろいろネットで調べてもよく意味が分からない。筆者もそうでしたが、燻製のおいしさにはまり自宅で簡単にこのおいしさがどうにか味わえないものかと試行錯誤した結果、自分用にも経験や知識を取りまとめて置くことにしました。是非、参考になれば幸いです。
燻製は、もともと肉や魚などに煙をかけて、長期間の保存を可能にする保存食として考えられた調理方法で、今では燻製は保存食というより、普段の調理では味分えないようなおいしさ味わいを楽しむという趣旨にかわりつつあるようです。
チーズとソーセージは、ホントに簡単にできちゃいます。7分燻製して7分放置で素人の方でもほぼ100%成功すると思います。笑
さっさと作りたい気持ちはわかりますが、燻製の基本知識だけはさっと理解しておきましょう。損はしませんよ♪
燻製は、煙により含まれている「カルボニル化合物」「フェノール化合物」「有機酸」などの働きで、色・風味・殺菌などが行われ、食材をそのまま、焼いて食べるよりもよりおいしい風味をもたらしてくれます。燻製は、煙で「いぶす」ことによって、煙に含まれている有効成分によって殺菌・酸化防止などの効果が現れ、食材は、日持ちする保存食として生まれかわるのです。
燻製にする理由は、日持ちする保存食としての加工という意味もありますが、やはり一番の理由は、食材の味わいが「おいしくなる」ということです!
今回は、家庭でも煙が少なく簡単に燻製がたのしめるスモークポッドIHという鍋を使っていろいろな燻製を作ってみることにしました。
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燻製っていったら外でするもの。。だって煙がすごいから。。。というのが今までの常識でしたが、これは、自宅のIHで煙も少なく手軽に燻製ができるIH対応の数少ない電磁調理器の一つです。ほんとにびっくりするほど煙が少ないですが、どうしても燻製の煙のにおいは出てしまうので、気になる方は、ベランダなどでポータブルIH機をおいてそのうえで調理するといいかもしれません。写真の穴には、温度計をさすのですが、通販では、温度計付きのものは、人気でほぼ売り切れ状態です。笑
温度計はなくても、ホームセンターなどで安く購入できるのでおすすめです。
■燻製の工程
現在では、冷蔵庫などがあり、いつでも新鮮なお肉や魚を食べることができるため、保存性というものはそこまで必要ではなくなっています。燻製(スモーク)をすることによって素材をよりおいしくするということにメリットがある燻製ですが、その正式な工程は主に、「塩漬け」→「塩出し」→「乾燥」→「燻煙」→「乾燥」の工程があります。燻製は、塩漬けの際にハーブやスパイス類を使い熟成させたり、燻煙時の煙に含まれている香り成分などにより素材をさまざまな好みの味に仕上げて食材をよりおいしくしてくれます。
塩漬け
塩味にムラが出来ないようにするため、たっぷりの塩味で下味をつけ、その後余分な塩を抜きます。塩漬けは、素材の味付け、脂肪部分の酸化を防ぐ為(腐敗防止)、また発色をよくするなど理由があります。塩漬けの方法には、食材に直接塩をすりこんだり「振り塩法」、素材を10~15%の塩水に漬け込む「ソミュール法」やピックル液につけこむ「ピックル法」などがあります。
塩漬けの理由には、食材の生臭さの成分を取り除き、腐敗しやすい物質を除去するそして、過剰な塩分を与えその後塩抜きをすることで食味が整う。という理由があります。
ソミュール法とピックル法の違いは、10~15%濃度の食塩水をソミュール液といい、ソミュール液に各種スパイス、香辛料を加え一度沸騰させた物をピックル液と称します。一般的にどちらも称してソミュール液やピックル液と呼ぶことが多いようです。
塩出し
濃い目の塩加減で長い時間漬け込み、材料に塩が均等にしみこんでから、再度時間をかけて塩を抜く作業です。塩漬けは、味を調える理由の他に、余分な脂肪分を取り出したり、殺菌をする目的でもあるので、それらの余計なものを塩出しによって排除する必要があります。また長い間、塩水につけられた食材はかなり塩分が多くなっているのでその塩分濃度をやわらげるためでもあります。塩出し方法は、完全に隠れる程度のボウルを用意して、水をたっぷりいれて素材を入れ流し台に置く。蛇口からボウルに水をちょろちょろながし入れますが、その時、直接蛇口からの水が素材に当たらないように注意しないとその部分だけ味が薄くなってしまいます。時々、食材をフライパンで焼いて味をみて、ちょっと薄いかな?という程度がいいようです。
乾燥
素材の余分な水分を飛ばす作業です。キッチンペーパーなどで余分な水分をふきとり、外気温が20度以下であれば直射日光の当たらない、風通しの良い場所で乾燥ネットなどを利用して乾燥します。夏の暑い時期や乾燥場所が確保できない場合は、冷蔵庫の中で乾燥させると便利です。手っ取り早く乾燥させるのにお皿にキッチンペーパーなどを敷いて冷蔵庫に保管すると便利です。
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「塩漬け」→「塩出し」→「乾燥」→「燻煙」→「乾燥」ってなんだかめんどくさそうと思いますよね。でも心配しないでください。これは、正式な燻製の手順ですが、本来は、日持ちをさせて長期保存することはないと思いますので燻製の味を楽しみたいという目的からするとこの工程は、ほぼすっとばしちゃいます。
チーズやソーセージは、スーパーなどで購入してきて袋からだして、キッチンペーパーで余分な水分をふき取ります。そのあと、スモークポットIHなどで熱燻7分程度行った後7分~10分放置煙を馴染ませます。はい蓋を開けたら出来上がりです。笑
塩漬け、塩出し、乾燥の工程はいりませんね。燻製→乾燥だけです。
■燻製の種類(熱燻・温燻・冷燻)
熱燻
80度以上の高温の煙でいぶす方法で、燻煙時に食材が加熱調理されることになります。塩漬け時間、乾燥時間も短い素材を使うことが多いです。チーズやソーセージ・手羽先などが上げられ、細かな温度管理も不要で、最も手軽に出来る簡易燻煙法で燻煙時間は10~60分程度で仕上がります。簡易燻煙法であるため、食品の保存にはむかず、煙をかけた食事としての意味合いが強い。スモークチップなどを敷いて火にかけるなど簡単に燻製が楽しめてすぐに燻製が楽しめたり、いつもとは違う香りを楽しむことも出来るのが特徴です。手軽にできるチーズやソーセージは熱燻で7分燻製して7分蒸すという形でサッと簡単にできちゃうのが特徴です。
温燻
最も一般的な燻煙法です。30~60度ほどの煙でいぶす方法で、燻煙時間は、数時間から1日程度である。一般に燻製という場合は、温燻を指すと考えてよい。最も保存性が高い燻煙法で、保存食作ることができます。普通に売っている燻製ボックスを使い、スモークウッドをおくだけで温燻出来るので家でやる場合、アウトドアで燻製を作る時もこの温燻が一番適している。温燻の代表的なモノにベーコンなどがあります。
冷燻
スモークサーモンを作る時などに使う燻製法で塩漬け時間、燻製する時間もかなり長い燻製になります。15~30度ほどの煙でいぶす方法です。冷燻の場合は煙を冷やして食材をいぶさなければならないので、大掛かりな設備が必要となり冷燻は細かな温度管理が必要で、材料によっては燻煙時間も1日がかりなどの場合もあり、ときには何日にもわたる時もあります。材料を長時間にわたって加工しなければならないので、気温の低い冬場などに限られる。代表的な製品には、生ハムやスモークサーモンなどがある。
■燻製方法
燻製には、スモークウッドやスモークチップという木材を使って、燃焼し、その煙でいぶす方法がありますが、スモークポットIHなどを使用する場合は、スモークチップを使った方法を用います。
スモークウッドは、熱源が不要で、一旦火をつけると、スモークウッドがなくなるまで煙が出て、主に温燻に適した方法です。
スモークチップは、熱源が必要となりますが、家庭のIHコンロでも使用できるスモークポッドIHという機材を使用してIHからの熱源でスモークチップを燃焼させて煙をだすことで食材をいぶす熱燻法です。
スモークチップの熱源には、ここでは、スモークポットIHを使用していますが、その他にも炭やカセットコンロ、電気コンロなどを使用する場合があります。
スモークポッドIH
煙の漏れも少なく短時間の熱燻に適した機材です。家庭で短時間で手軽簡単に燻製が楽しめるのが特徴です。IHで温度計も鍋についているので温度管理も簡単で燻製の素人の自分でもまあまあの燻製を作ることが可能です。
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乾燥
燻製した後の食材は、温かいのでそのまま食べてももちろんおいしいですが、数時間、一晩それ以上乾燥をすることにより、煙臭さがやわらぎ、とてもまろやかになり、味もおちつきます。
燻製後すぐに食べようとすると、食材の表面にチップが燃焼した際の液、茶色い液のようなものがついて木の成分、木搾液(モクサクエキ)の独特な香りするので時間をおいて乾いてから食べた方がおいしいです。
■チップの種類(燻製をおいしく作るには)
①スモークチップによって味が変わってくる。
今回、スモークポッドIHという機材を使用していくつかの燻製に挑戦してみました。その中で気付いた点をいくつかあげてみると、
食材の味は、使用するスモークチップによって味が変わってくるということです。
サクラ |
香りが強くベーコンなど、いろんな食材に合う個人的には一番すきなチップ |
リンゴ |
甘くてマイルドな香りがつく魚介類などの燻製に合う |
オーク |
ウィスキーの樽として使われていたものを使用。ほのかにウィスキーの香りがする魚や鶏肉などの食材に合う |
ヒッコリー |
肉や魚問わずオールマイティー多くの食材の燻製に適しています。ベーコンなどによく合う |
ブナ |
燻製後の色づきがよくなる木材いろいろな食材に合います |
クルミ |
チーズやサーモンに使われることが多いようでクセがあまりないのが特徴 |
ブレンド |
サクラやリンゴなどチップを混ぜ合わせたものオールマイティーな燻製にしようできます。 |
全部の種類のチップを試してみたわけではないのですが、個人的には、サクラやブレンドチップが燻製後の色づきや風味がいいです。リンゴも試してみたのですが、仕上がりが甘い感じがしたのですが、色合いが少し薄いような印象を受けました。その他にも、手羽先などの鶏肉類には、オークチップというウィスキー樽の木を利用したチップがとても風味がよくおいしかったです。ウィスキーの酒香りがほんのりとお肉に馴染みます。
サクラやブレンドチップが主に使われていると思います。
燻製は、普段なにげなく食べている食材が燻煙でいぶすことによって今まで食べたことのないような食材に早代わり。。手をかけて料理した食材だからこそ一段とおいしく感じられると思います。同じ食材でも作る人によって味も様々・・試行錯誤し、自分だけのおいしい燻製レシピを作ってみてはいかがでしょうか。